質問5 二層地盤の主働土圧の計算法
下図のように擁壁底版の前と後ろで土が二層になっています。かかとより前は地盤改良をします。
擁壁たて壁に作用する土圧を計算したら、図に示しているすべり面になりました。
このとき擁壁たて壁に作用する土圧は、ピンクに着色した土Wの重量で計算してもよろしいでしょうか。御教示をよろしくお願いいたします。
回答5
かかと版が十分に長くて、すべり面が地盤改良された裏込め土の内部を通ることが明らかな場合にピンクの着色部の土の重量で計算できます。
以下に、一般的な主働土圧の算定法について説明します。
ケース1 かかと版が短い場合
かかと版が短いとすべり面が下図の左のようになります。すべり角ω1,ω2を変化させて壁面土圧PAを計算し、PAを最大とするω1,ω2が正解のすべり角であり、そのときのPAが主働土圧となります。
ケース2 かかと版が長い場合
かかと版が長いとすべり面が下図の右のようになります。すべり角ω1,z1を変化させて壁面土圧PAを計算し、PAを最大とするω1が正解のすべり角であり、そのときのPAが主働土圧となります。
ケース1とケース2で計算し、どちらか大きいPAが正解の主働土圧となります。
質問4 逆T型擁壁の主働土圧算定法
先生のQ&Aを読んで参考にしております。
下図の擁壁を計画しています。上部の間知ブロックは、許可済みです。
中畑・右城式よりすべ角を求めて、等分分荷重を算定したいのですがこの断面のβの算定がわかりません。
またエクセルで逆T型擁壁を実背面で算定してもうまくいきません。計画地は横浜の急傾斜地です。
宜しくお願いします。(2014.4.20)
回答4
図1の嵩上げは台形盛土となっていないのでβを設定した中畑・右城式は適用できません。
すべり面の角度ω1とω2を変化させてPAの最大値を求める「改良試行くさび法」で計算する必要があります。
W1は、abcdefで囲まれた土塊(ブロック積擁壁を含む)の重量と、その土塊上に載る活荷重の全重量です。W2はabgで囲まれる土塊の重量と、その土塊上に載荷される活荷重の全重量です。
図面では、急傾斜地の形状や地質が分からないのでコメントすることは出来ません。急傾斜であれば、すべり面を直線と見なしたクーロンの土圧理論が適用できるのか、支持力に対する特別な配慮がいるのではないかという問題がありますので、注意して下さい。
質問3 主働土圧合力の算定式
右城先生の著書に、主働土圧合力を算定する次式が紹介されていますが、この式の出典を教えて下さい。
PA=1/2γH^2KA{1+2q/(γH)}
回答3
水平な表面に載荷重qがあるときの土圧合力を算定する式で、下記のように誘導できます。右城猛が執筆した本では、この式を良く使っていますが、それ以外では紹介されていないように思います。
質問2 擁壁背面土の置き換え範囲(2014.2.14)
擁壁背面の土を良質な土(価格も高い)に置き換える場合の最適置き換え範囲につ いての質問です。
背面の土と置き換える土の土質定数は以下の通りです。
背面土の土 γ1=16kN/m3,φ1=35゜、 c1=0
置き換える土 γ2=12kN/m3,φ2=40゜、 c2=0
φ2の土に対して試行くさびで求めた主動すべり角がω2=65゜となった場合、65゜以上の範囲を置き換えれば良いのでしょうか。
この置き換え範囲では現況の土のφが小さいので置き換える範囲外から土圧を受けるような気がします。この部分は無視して良いのでしょうか。
回答2
φ1で求めた主働すべり面が水平面となす角ωをω1、φ2で求めた主働すべり面が水平面となす角ωをω2で、φ2>φ1とした場合には、ω1から壁面までの範囲をφ2の土で置き換えなければなりません。この場合の主働土圧PAは、γ=γ2,φ=φ1,ω1の条件で算定する必要があります。
しかし、実際には、背面土(地山)(γ1,φ1)を主働すべり角よりもずっと緩い安定勾配θ(≒45゜)で掘削した後に擁壁を施工し、擁壁と地山との間を良質土(γ2,φ2)で埋め戻すことになります。この場合の主働土圧PAは、γ=γ2,φ=φ2の土質条件で求めた主働土圧PA2と、γ=γ2,φ=φ1,ω=θとして求めた主働土圧PA1のいずれか大きい土圧を設計に用いる必要があります。
質問1 ガードレール基礎 (2013.10.10)
初めまして。早速ですが、県道に土中用ガードレールを設置するのですが、埋設物が有るため打ち込めません。コンクリート基礎として施工したいのですが、設計計算が出来ません。500×500×500でいけますか?
回答1
転倒に対する安全率が不足します。詳細は下記のpdfをご覧下さい。