大規模修繕工事の時期が近づいて来ました。どのように進めたら良いでしょうか。
組合員の皆様の負担を軽減し,円滑に修繕工事を進めるためにも専門知識をもったパートナー選びから始めてみてはどうでしょうか。
大きく分けると2種類の方法が考えられます。設計監理方式と責任施工方式といわれるものです。双方共メリット,デメリットがあります。
しっかりとしたパートナーを選び,適正な判断,アドバイスを受けながら大切な大規模修繕工事を行うことをお勧めします。
大規模修繕工事に向けて,理事会のみで対応できるか心配です。
時間的に余裕を持って準備を行うために理事会とは別に,専門の諮問委員会(例えば,修繕委員会)の設置をしてみてはどうでしょうか。
理事会の役員は短期間で交代されることが多いため,準備段階から工事完了に至るまで数年の期間を要する大規模修繕工事を継続することは困難となります。
建物が大丈夫か心配です。修繕が必要かどうか,どうすれば分かりますか。
建物の状態を把握するため,外観調査や傾き測定等の調査をし,建物の診断を受けてみてはどうでしょうか。
診断結果は今後の維持管理にもご活用いただけると思います。まずはご自身の建物を「知ること」が大切なポイントです。
大規模修繕工事に向けて,建物の現況調査を行ったのですが,調査内容や修繕工事の見積り額が妥当であるのか分かりません。
客観的な意見を聞くために,第三者の目を導入してみてはどうでしょうか。
組合員や外部の専門家から意見を聞くなど妥当性の確認の方法は様々です。その中でも利害関係のない専門家に検証してもらうことで,透明性を重視し適正な工事を行うことを目的とする方法が,近年増加傾向にあるようです。
外壁のタイルの浮きが気になるのですが,どうすればいいでしょうか。
浮きの範囲や原因を知るためにも,現在の状態を調査してみてはどうでしょうか。
調査方法は,打診調査や赤外線サーモグラフィー法等があります。これらの調査結果を基に状況に合った工法の選定を行うことが重要となります。
塗料などの影響によるアレルギーや,工事中の臭いが心配です。
塗料等によるアレルギー対策としては,塗料の製品選びから始めてみてはどうでしょうか。溶剤系の塗料は,身体に害を与えることもあるので水性系の塗料をお勧めします。やむをえない場合は、シンナー系はキシレンやトルエンを含まない弱溶剤系のものがあります。
また、臭いのする作業の際は事前にお知らせをしたり,工事の振り分けによって換気対策を行うことも一つの方法です。
屋上のシートが何カ所かふくれているようですが屋上全体を貼り替えなければいけないんでしょうか。
部分的な修繕も可能です。ふくれの場所を特定し,修繕として新たに防水シートを増し貼りします。
また,防水シート等の劣化による水の侵入は,雨漏りの原因となりますので定期的な点検と早期の修繕を心掛けましょう。
タイルの浮きの工事とは,どんなことをするのですか。
タイルを貼替える方法,浮き部分に樹脂を注入し固定する方法などがあります。いずれにしても,浮きの状態に合った適切な工事を行うことが大切です。
浮き部分を放置しておくと,範囲が広がりと剥落をする可能性があり,落下による事故発生の恐れがあります。また,浮き部分より雨水が浸入し主要部材の劣化や,雨漏りなどの問題が発生します。
外壁の塗装において,どのような点に注意すればよいでしょうか。
塗料を決定するには,まず建物に塗られている塗装の種類,劣化の程度等を知るための調査・診断が大切です。また,立地条件や塗装場所,ひび割れ等も塗料の選定において検討が必要です。
見た目では分かりませんが,耐用年数はアクリル系で5年程度,ウレタン系で10年程度,シリコン系で15年程度,フッ素系で20年程度と異なります。状況に応じた塗料を選定することが大切になります。